京都府 郷土食

京都府

1200年の歴史をもつ京都では、宮廷(きゅうてい)料理や精進(しょうじん)料理、懐石(かいせき)料理、また庶民のおばんざい等、京都ならではの料理があります。京都府は、昔、山城・丹波・丹後の3つに大きく分けられ、自然的、風土的条件の違いから、各地方で郷土食もさまざまです。
京都の郷土食は京野菜をはじめとする「旬の菜」が中心の料理が多いのも特徴です。季節の伝統行事と結びつき、京野菜をはじめとするすばらしい伝統料理がたくさんあります。

地図

お講汁(おこうじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 51kcal
たんぱく質 3.5g
脂質 1.9g
カルシウム 45mg
0.9mg
ビタミンA 0μgRE
ビタミンB1 0.01mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンC 5mg
食物繊維 1.3g
食塩 0.9g
マグネシウム 16mg
亜鉛 0.3mg

由来

京都府南丹市(なんたんし)美山町大内地区では、かつて地域伝統野菜「大内 (おおうち)カブラ」が栽培されていました。
このカブラはお講汁の食材として、純粋種を守る農民的伝統技術で近年まで500年以上も伝えられてき ました。しかし、蓮如上人(れんにょしょうにん)ゆかりの光瑞寺で毎年1月に行われていた報恩講 (ほうおんこう)に、 昭和48年頃から食事が出されなくなったことと、もともとこのカブラはヒゲ根が多く、せんい質で見 ばえが悪いことから商品化されず、次第に栽培されなくなりまぼろしのカブラになってしまいました。
お講汁は報恩講の前日に各家から手前みそを持ち寄り、大内カブラを約6時間煮て、合わせみそで調味して作られます。

※報恩講・・・開祖親鸞(しんらん)の遺徳(いとく)をしのぶ浄土真宗(じょうどしんしゅう)の行事

材料・分量

1 大内カブラ(2cm 角さいの目切り) 55g
2 油揚げ(短冊切り) 4g
3 甘みそ 3g
4 淡色辛みそ 5.8g
5 煮干し 0.5g
6 かつお節 1.5g
7 120g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・煮干しとかつお節と水でだしをとる。
  • ・切った油揚げを油ぬきする。

作り方

  • だし汁に大内カブラを入れて煮る。やわらかくなったら、油揚げを加える。
  • 早めに甘みそ・淡色辛みそを入れて味をととのえ、大内カブラにみその味がしみこむまで煮こむ。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑤⑥⑦だし汁→①大内カブラ→②油揚げ→③甘みそ④淡色辛みそ
*本来の作り方は、大内カブラを5cm 角ぐらいに切りますが、早く火が
通るよう2cm 角に切りましょう。

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 584kcal
たんぱく質 22.5g
脂質 13.2g
カルシウム 455mg
3.1mg
ビタミンA 496μgRE
ビタミンB1 0.17mg
ビタミンB2 0.34mg
ビタミンC 19mg
食物繊維 4.6g
食塩 3g
マグネシウム 96mg
亜鉛 2.9mg

献立例

  • ・ちらし寿司
  • ・牛乳
  • ・葉っぱのおかず
  • お講汁
  • ・刻みのり

放送資料

今日は、「大内カブラ」を使ったお講汁と葉っぱのおかずの登場です。この「大内カブラ」は美山町大内地区で、500年以上も守り育てられてきた、大内地区限定のかぶらです。
大内にある光瑞寺では、毎年1月に行われていた報恩講の前日から「大内カブラ」をコトコト煮込み、家々から持ち寄ったみそで味をつけ、当日の朝食に、ごはんや「大内カブラ」の葉で作った葉っぱのおかずといっしょに食べられていたそ
うです。
「大内カブラ」はヒゲ状の根が多く、形もいびつで調理に時間がかかることや、報恩講に食事が出されなくなったことから次第に栽培されなくなり、今ではお講汁を食べることもなくなってしまいました。
「大内カブラ」を守り受け継いでいこうと、栽培に取り組んでいるみなさんの思いがつまった「大内カブラ」を味わって食べましょう。

一口メモ

このお講汁と葉っぱのおかずを知っている人は、子どもの頃、お寺の報恩講で大内カブラの葉っぱのおかずと、大盛りのご飯、お講汁を食べたことが懐かしい思い出だそうである。
大内カブラの研究・栽培を通して、地域の食文化や農業を見直し、町を活性化させようと、取り組んでいる高校生がいる。

参考資料

  • ・「 美山の味と文化」 美山の郷土食を伝える会編
  • ・「 たにし学校」 村山隆著 あゆみ出版