長野県 郷土食

長野県

信州信濃の国と昔の名前で呼ばれる長野県は、本州の中央部に位置し、海から遠い「山と川の国」です。今でも県民に親しまれている県歌「信濃の国」には、地理・名所・偉人などが紹介されています。1998年には自然と共存する冬季オリンピックが開催され、世界的に「NAGANO」の名が知られるようになりました。周りを「日本アルプス」と呼ばれる3000m 級の美しい山々に囲まれ、上高地・軽井沢などの四季折々の自然の豊かさ、毎年700万人が参拝する善光寺や御柱祭で有名な諏訪大社もあり、観光県信州とも呼ばれています。

地図

塩いかの酢の物(しおいかのすのもの)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 27kcal
たんぱく質 2.8g
脂質 0.3g
カルシウム 21mg
0.1mg
ビタミンA 6μgRE
ビタミンB1 0.01mg
ビタミンB2 0.01mg
ビタミンC 15mg
食物繊維 0.8g
食塩 0.5g
マグネシウム 16mg
亜鉛 0.2mg

由来

諏訪(すわ)地方は太平洋からも日本海からもほぼ200km もはなれた山国です。海の幸などは、昔は貴重な食材でごちそうだったので、諏訪に入る海産物は主に加工食品でした。塩いか(塩丸いか)はその代表的な加工食品で、流通がよくなった現在でも諏訪地方や伊那(いな)、中信地方の伝統食として受け継がれています。かつては、北陸の福井・富山近辺で生産され、糸魚川街道(いといがわかいどう)や野麦峠(のむぎとうげ)をこえて運ばれてきました。

材料・分量

1 塩いか(5mm 半月切り) 12g
2 キャベツ(1cm 幅の短冊) 35g
3 きゅうり(ななめ半月切り) 8g
4 乾燥わかめ 0.4g
5 米酢 2.5g
6 砂糖(上白糖) 1.5g
7 食塩 0.4g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・塩いかは2時間ほど水にひたして塩抜きをする。(急ぐ場合はさっとゆでる。)
  • ・乾燥わかめは水でもどしておく。

作り方

  • キャベツをゆでる。
  • 酢、砂糖、食塩をあわせる。
  • 塩いか、キャベツ、きゅうり、わかめと2をあえる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
具①塩いか→②キャベツ→③きゅうり→④もどしたわかめ
あわせ酢⑤米酢→⑥砂糖(上白糖)→⑦食塩

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 665kcal
たんぱく質 24.0g
脂質 14.9g
カルシウム 314mg
2.4mg
ビタミンA 165μgRE
ビタミンB1 0.56mg
ビタミンB2 0.44mg
ビタミンC 13mg
食物繊維 4.5g
食塩 2.4g
マグネシウム 108mg
亜鉛 2.8mg

献立例

  • ・おはぎ
  • ・牛乳
  • 塩いかの酢の物
  • ・つみれ汁
  • ・りんご

放送資料

海がない長野県は、昔は海産物がとても貴重な食べ物でした。そこで遠い海から魚類を運ぶため、塩を強くして運んだのが塩いか(塩丸いか)の由来です。塩いかは、塩出しをして野菜類といっしょに酢の物や浅漬けにして、諏訪地方でよく食べられている料理です。暑い時にもあっさりと食べられるので夏バテの予防にもなります。やわらかいいかは、お刺身とは違ったおいしさやうまみがあります。いろいろな料理に活用してみるのもいいでしょう。

一口メモ

古来より貴重な塩を牛方、馬方、歩荷(ポッカ)等で運んだ道を『塩街道』と呼ぶ。日本海、太平洋側から来ても5~6日かかり、その終着点が塩尻峠(塩嶺)だった。
このような山国ならではの知恵で、塩漬けにより海産物の長期保存を可能にし、適度に塩抜きすることで独特な旨みを引き出した。峠の塩丸いかは、信州名産の逸品となっている。

参考資料

  • ・塩丸いか包装袋(丸三小池食品株式会社:長野県岡谷市)
  • ・「学校給食おすすめ郷土料理献立集」 諏訪地区学校給食協議会栄養衛生委員会
  • ・「残したい伝えたい」(諏訪の味と食文化編纂委員会)