広島県 郷土食
広島県
広島県は日本の縮図と言われ、温暖な瀬戸内海から、冬は雪に覆われる中国山地まで、様々な気候と風土があり、四季折々の海の幸、山の幸が豊富です。海の幸は牡蠣 (かき)をはじめ、あなご、たこ、小いわし等、瀬戸内海の恵みをいただくことができます。山の幸はおいしいお米をはじめ、じゃがいも、わけぎ、広島菜、くわいなど、季節ごとの食材が栽培されています。果物もみかんなどの柑橘類をはじめ、ぶどう、びわなど多種多様です。そしてこれらの新鮮な食材を生かした料理が多く存在しています。また、原爆投下により焼け野原になった広島の復興と人々の力強さの原点ともなった「お好み焼き」の存在も欠かせません。
あなごめし(あなごめし)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 334kcal |
たんぱく質 | 10.6g |
脂質 | 4.4g |
カルシウム | 28mg |
鉄 | 1.1mg |
ビタミンA | 274μgRE |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.07mg |
ビタミンC | 1mg |
食物繊維 | 0.5g |
食塩 | 2.1g |
マグネシウム | 32mg |
亜鉛 | 1mg |
由来
宮島沖を中心に瀬戸内海沿岸でとれるあなごは、「地あなご」とよばれ、体長30㎝くらいの小型です。とりわけ宮島対岸の大野町でとれるあなごは、「大野瀬戸あなご」とよばれ、他と区別してきたほどです。延縄漁 (はえなわりょう)や筒(つつ)漁などでとられています。
有名なあなご料理は、宮島周辺のあなごを使ってつくる「あなごめし」で す。あなごめしは、今からおよそ100年前、山陽本線開通の4年後の明治34年に世界遺産厳島神社 (いつくしまじんじゃ)への入り口である宮島口駅で駅弁に登場して以来、全国に知られるようになりました。
材料・分量
1 | 精白米 | 80g |
2 | こいくちしょうゆ | 2g |
3 | 本みりん | 0.5g |
4 | 食塩 | 0.4g |
5 | 水 | 120g |
6 | あなご(3~4㎝のそぎ切り) | 30g |
7 | こいくちしょうゆ | 9g |
8 | 本みりん | 7.5g |
9 | きざみのり | 0.3g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・あなごをさばき、白焼きする。
作り方
- 精白米は調味料を入れて炊く。
- 白焼きしたあなごをさっと焼いて調味料につけ、もう一度あぶる程度 に焼き、そぎ切りにする。
- 残った調味料を少し煮つめる。
- どんぶりにごはんを入れ、あなごを形よく並べてから煮つめたたれをかける。
- 最後にきざみのりをちらす。
(紅しょうがや、わさびをそえるとよい。)
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①②③④⑤ごはん→⑥あなご⑦しょうゆ⑧みりん→⑨のり
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 574kcal |
たんぱく質 | 23.4g |
脂質 | 15.6g |
カルシウム | 329mg |
鉄 | 2.1mg |
ビタミンA | 453μgRE |
ビタミンB1 | 0.23mg |
ビタミンB2 | 0.52mg |
ビタミンC | 14mg |
食物繊維 | 2.4g |
食塩 | 2.9g |
マグネシウム | 84mg |
亜鉛 | 2.4mg |
献立例
- ・あなごめし
- ・牛乳
- ・かきたま汁
- ・きゅうりの酢の物
- ・ぶどう
放送資料
今日の給食は、「あなごめし」です。広島の海では、あなごがたくさんとれます。特に宮島あたりの海では昔からおいしいあなごがとれます。なぜ広島の海であなごが多くとれるかというと、潮の流れがちょうどいいのと、カキいかだの下に集まる小魚などがえさになるのでよいあなごが育ちます。
あなご料理といえばなんと言っても「あなごめし」です。甘辛いたれをつけて焼いたあなごを、ごはんの上にぎっしりとのせて作ります。「あなごめし」は、今からおよそ100年前、鉄道が開通した宮島への玄関口である宮島口駅で駅弁として売られて以来、全国に知れた駅弁となりました。広島の海の恵み、「あなごめし」を味わってください。
一口メモ
あなご(穴子)は名前のとおり、昼間は穴や岩の間にかくれていて、暗くなると穴からはい出して活動をはじめる夜行性の魚である。ビタミンA が多く含まれていて、夏バテ防止や疲れ目などによく効く。見た目は、うなぎとよく似ているが、味はさっぱりとしており、うなぎに負けない人気がある。
参考資料
- ・「文化百選」 味産品編中国新聞社
- ・「広島県の農業と水産業 」 広島県農政部
- ・「ひろしまふるさと食物語」 広島県学校栄養士協議会
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