広島県 郷土食
広島県
広島県は日本の縮図と言われ、温暖な瀬戸内海から、冬は雪に覆われる中国山地まで、様々な気候と風土があり、四季折々の海の幸、山の幸が豊富です。海の幸は牡蠣 (かき)をはじめ、あなご、たこ、小いわし等、瀬戸内海の恵みをいただくことができます。山の幸はおいしいお米をはじめ、じゃがいも、わけぎ、広島菜、くわいなど、季節ごとの食材が栽培されています。果物もみかんなどの柑橘類をはじめ、ぶどう、びわなど多種多様です。そしてこれらの新鮮な食材を生かした料理が多く存在しています。また、原爆投下により焼け野原になった広島の復興と人々の力強さの原点ともなった「お好み焼き」の存在も欠かせません。

かきめし(かきめし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
| エネルギー | 323kcal | 
| たんぱく質 | 9.2g | 
| 脂質 | 2.3g | 
| カルシウム | 38mg | 
| 鉄 | 1.8mg | 
| ビタミンA | 95μgRE | 
| ビタミンB1 | 0.09mg | 
| ビタミンB2 | 0.10mg | 
| ビタミンC | 2mg | 
| 食物繊維 | 1.5g | 
| 食塩 | 1.2g | 
| マグネシウム | 40.3mg | 
| 亜鉛 | 6.5mg | 
由来
広島の代表的な食材であり、全国の生産量1位を誇る広島かき。広島でかきの養殖が始まったのは、今から約450年前の室町時代のこととされています。
元禄年間(1688~1704年)に、「かき船」とよばれる船で大阪方面まで行き、橋のたもとに船をつけて売るようになりました。さらに江戸時代後期になると、船に座敷を設けて船上でかき料理を提供するようになりました。天保3年(1832年)越中国高岡(現在の富山県高岡市)の長光寺の住職であった東林(とうりん)が、京都から広島に向かう途中、大阪でかき船に立ち寄り、広島かき料理を8品食べたことを紀行文にくわしく記録しています。そのかき料理の中に「かきめし」が記録されています。
材料・分量
| 1 | 精白米 | 75g | 
| 2 | 水 | 110g | 
| 3 | こんぶ | 1g | 
| 4 | 清酒 | 3g | 
| 5 | かき(むき身) | 36g | 
| 6 | 食塩(洗い用) | 少々 | 
| 7 | 油揚げ(1㎝せん切り) | 2g | 
| 8 | にんじん(細いせん切り) | 10g | 
| 9 | ごぼう(細いささがき) | 5g | 
| 10 | 乾しいたけ(細いせん切り) | 1g | 
| 11 | 食塩 | 0.3g | 
| 12 | こいくちしょうゆ | 3.5g | 
| 13 | 清酒 | 1g | 
| 14 | きざみのり | 0.5g | 
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・かきは塩水でふり洗いをし水気を切る。
- ・乾しいたけは戻しておく。
作り方
- 洗った精白米にこんぶ、清酒、水を加え、かき以外の材料と調味料を入れて、炊く。
- 水気がなくなったころにかきを加え、さらにたき上げる。
- 器にもり付け、きざみのりをちらす。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①米②水③こんぶ④酒⑦油揚げ⑧にんじん⑨ごぼう⑩しいたけ⑪塩⑫しょうゆ→⑤かき→⑭きざみのり
給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
| エネルギー | 599kcal | 
| たんぱく質 | 22.4g | 
| 脂質 | 12.8g | 
| カルシウム | 369mg | 
| 鉄 | 3.6mg | 
| ビタミンA | 421μgRE | 
| ビタミンB1 | 0.60mg | 
| ビタミンB2 | 0.58mg | 
| ビタミンC | 51mg | 
| 食物繊維 | 6.4g | 
| 食塩 | 2.6g | 
| マグネシウム | 124mg | 
| 亜鉛 | 8.0mg | 
献立例
- ・かきめし
- ・牛乳
- ・ほうれんそうのごまあえ
- ・粕汁
- ・みかん
放送資料
今日の給食はかきめしです。かきは広島の特産品で、全国生産量の6割を占め、全国1位です。
広島でかきの養殖が始まったのは、今から450年も昔で、今の広島市西区の草津で始められたそうです。広島湾に浮かぶ「かきいかだ」を見たことがありますか。長い年月をかけて生まれたのが、今の竹のいかだで作る方法です。かきいかだにかきのたまごをつけたほたてのからをつりさげて育つのに2年もかかるそうです。波がおだやかな瀬戸内海は、かきの養殖にぴったりの自然環境で、海の恵みをいっぱい取り込んでおいしい広島かきが育ちます。かきは海のミルクといわれるくらい、栄養もたっぷり含まれています。かきめしを味わっていただきましょう。
一口メモ
広島湾は、たくさんの島々に囲まれ、波がおだやかであり、潮の流れや水温も適温で、太田川から流れてくる栄養分豊かな水が、かきの養殖に最適な環境であり、おいしいかきが育つ。
養殖場のすぐそばには「かき打ち場」があり、収穫されたかきは、かきがらからひとつひとつ身を取り出す「かき打ち」という作業が行われる。この作業を行う人のことを「打ち子さん」という。またかき打ちで使う道具は、木の柄の先に鉄製の爪(1本刃または2本刃)がついたもので、広島独特のものである。
参考資料
- ・広島市郷土資料館資料解説書第10集 「牡蠣養殖」
- ・広島市郷土資料館資料解説書第18集「海のカキアルバム古写真が語る広島湾の牡蠣養殖風景
- ・「ひろしまの四季食彩」 広島県栄養士会
- ・「ひろしまふるさと食物語」 広島県学校栄養士協議会
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