奈良県 郷土食

奈良県

奈良は古くは「大和の国」と呼ばれ、古代より文化の中心地として発展してきました。
内陸県である奈良では、日常のおかずは野菜が中心で、肉や魚にかわるものとして、大豆や大豆製品がよく用いられてきました。
奈良県の伝統野菜としては、大和まな、宇陀(うだ)金ごぼう、大和いも、ひもとうがらしなどがあげられます。生産量が少ないので、集団給食に取り入れにくい面はありますが、子どもたちに少しでも奈良県産の野菜を食べてもらおうと、各市町村で工夫して取り入れています。
奈良の食べ物としては、「茶がゆ」、「柿の葉寿司」、「三輪そうめん」などがあります。どれも、昔の人の知恵が生み出した料理で、次代を担う子どもたちに伝えていきたい料理といえます。

地図

菜めし(なめし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 357kcal
たんぱく質 10.4g
脂質 4.8g
カルシウム 88mg
1.3mg
ビタミンA 131μgRE
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.14mg
ビタミンC 20mg
食物繊維 1.4g
食塩 1.1g
マグネシウム 38mg
亜鉛 1.6mg

由来

寒さ が厳しい1月や2月、奈良の食卓の菜(さい)だった「大和まな」と、にわとりと呼ばれるように農家の庭で飼われていた鶏を使って菜めしにして食べられていました。
「大和まな」のルーツは古く、「古事記(こじき)」に書かれている「菘(すずな)」という漬け菜のことで、もっとも古い野菜の一つで す。これがその後、次第に全国に広まり、各地に独特の品種が誕生しました。大和まなはその中にあり、原始系に近い品種とい われます。
大和では、暦の上では1月20日の「大寒の入り」には「まなと油揚げのたいたん」か「まなのお浸し」を食べる風習が、今もお年寄りのいる家では食卓に用意されています。最近は季節を問わず、 一年中緑の野菜が出回っていますが、ハウス栽培のないころは、まなや水菜 が冬場の緑の野菜として重宝されていたようです。

材料・分量

1 精白米 80g
2 80g
3
大和肉鶏(こま切れ)
こいくちしょうゆ
清酒
しょうが(せん切り)
まな(1cm のざく切り)
サラダ油
 
20g
2g
2g
1g
40g
3g
4
うすくちしょうゆ
食塩
清酒
 
4g
0.25g
4g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・米は洗ってざるにあけ水切りして、同量の水につける。
  • ・まなをざく切りし、茎と葉の部分に分ける。

作り方

  • 大和肉鶏にAのしょうゆ、酒、しょうがを加えて下味をつける。
  • 水につけておいた米を炊飯する。
  • 鍋を熱して油を入れ、大和肉鶏を強火で色が変わるまで炒める。まなを茎・葉の順に入れて、さっと炒め Bの調味料で味をつける。
  • ごはんが煮立ってきたら、3を汁ごと加えてひとまぜして炊き上げる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①②→⑧サラダ油→③大和肉鶏→④⑤⑥→⑦まな→⑨⑩⑪

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 666kcal
たんぱく質 29.1g
脂質 19.5g
カルシウム 402mg
3.4mg
ビタミンA 372μgRE
ビタミンB1 0.29mg
ビタミンB2 0.66mg
ビタミンC 43mg
食物繊維 5.2g
食塩 3.0g
マグネシウム 116mg
亜鉛 2.6mg

献立例

  • 菜めし
  • ・牛乳
  • ・さわらのあんかけ
  • ・キャベツに煮浸し
  • ・みそ汁

放送資料

今日の給食は奈良県の郷土料理、菜めしです。この菜めしに使われている「大和まな」は、奈良県の伝統野菜です。味はおいしいのですが、収穫後の日持ちが悪く、下葉が黄色く変色しやすいので流通が難しく、生産が伸びませんでした。
今ではそのおいしさが見直され、奈良県内の道の駅などで売られています。寒さに耐えて育つ大和まなのおいしさを味わってください。今日はその大和まなと歯ごたえとうまみのある大和肉鶏を使った菜めしです。奈良のうまいもんを味わいましょう。

一口メモ

『古事記』に、その元になる『菘(すずな)』の記載がある大和まなは、わが国で最も古い野菜の1つである。それが全国に広まり、各地に独特の品種ができてきた。
まなは中国地方では、油菜、広島菜、唐菜とも言われているが、結球しない白菜の1種といわれている。唐菜といわれるのは、唐から奈良時代に伝来したものかとも思われるが、大和では古くから「大和まな」といい、平素は主に冬の塩漬
けとして食べる。やや硬さがあるが風味は至ってよく、歯切れのよいのが賞味される。

参考資料

  • ・「大和の味改訂版」 田中敏子 著
  • ・奈良新聞社