島根県 郷土食

島根県

中国山地を背景にして、北西の季節風が卓越する日本海型気候の島根県は、東西に長く広がり、島根半島の北方には隠岐(おき)諸島が位置します。県東部は古代出雲文化を育てた神々の国出雲地方で、出雲大社や荒神谷 (こうじんだに)・加茂岩倉(かもいわくら)遺跡が有名です。県都松江市の宍道湖(しんじこ)では、しじみをはじめとする宍道湖七珍(しっちん)が特産物となってい ます。県西部は石見銀山や柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が国司として訪れた石見地方であり、浜田を中心に水産業が盛んなうえ、山の幸にも恵まれ、多彩な食文化を育ててき ました。更に周りを海に囲まれた海産物の宝庫隠岐地方は、神事にまつわる郷土料理も豊富です。

地図

しじみ汁(しじみじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 46kcal
たんぱく質 3.6g
脂質 1.8g
カルシウム 49mg
2.0mg
ビタミンA 4μgRE
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.07mg
ビタミンC 1mg
食物繊維 1.2g
食塩 1.6g
マグネシウム 23mg
亜鉛 0.7mg

由来

島根県東部に位置する宍道湖は、国内有数の大和しじみの産地として古くから知られています。中国山地を源とする出雲大河「斐伊川 (ひいかわ)」等の河川より流入する川の水「淡水」と日本海から境水道・中海を経由して流れ込む「海水」が微妙に入り混じる「汽水湖」というまれな自然条件をもった宍道湖です。その湖水特有の塩分濃度をはじめとするさまざまな自然条件が、天然の大和しじみをおいしく育 てるための最適な環境を作り出してい ます。
そのしじみの代表的な食べ方に「しじみ汁」があります。昔から日常的に朝食で食べられ、今日に至って います。冬はみそ仕立てで味を濃くして、夏はすまし汁にすることが多いようです。

材料・分量

1 しじみ(殻つき) 75g
2 葉ねぎ(小口切り) 7g
3 米みそ 15g
4 清酒 1g
5 160g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・しじみは殻ごとこすり洗いをしてすすぎ、汚れを落とす。水につけて、十分に砂をはかせる。

作り方

  • 鍋にしじみ、酒と水を入れ、火にかける。
  • 沸騰したら少し火を弱め、浮いてくるアクをとる。
  • しじみの口が全部開いたら、米みそを溶き入れ、煮立つ前に火を止める。
  • 椀に盛り、葉ねぎをあしらう。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①しじみ④酒⑤水→③米みそ→②葉ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


Warning: Undefined array key "example_14" in /home/zengakuei/zengakuei.or.jp/public_html/wp-content/themes/zengakuei/single-kyodosyoku.php on line 197
エネルギー 703kcal
たんぱく質 26.1g
脂質 23.6g
カルシウム 359mg
2.8mg
ビタミンA 356μgRE
ビタミンB1 0.61mg
ビタミンB2 0.59mg
ビタミンC 39mg
食物繊維 5.4g
食塩 3.1g
マグネシウム 33mg
亜鉛 1.1mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・若鶏のなめこおろしあえ
  • ・ごまあえ
  • しじみ汁
  • ・みかん

放送資料

宍道湖(しんじこ)は、淡水と海水の混じった汽水湖で、魚介類の宝庫です。しじみ、あまさぎ、白魚、うなぎ、すずき、もろげえび、こいは、宍道湖七珍(しっちん)と呼ばれています。
その一つ「しじみ」についてお話ししましょう。
宍道湖でとれるしじみは、「やまとしじみ」と言います。みなさんも朝早くからしじみとりをしている漁師さんの姿を見たことがあるでしょう。小舟に乗り6メートルくらいの長いさおのついた30キロ以上もあるジョレンでしじみをとります。両手でジョレンを持ち、足で舵をとりながらの作業はとてもたいへんな仕事です。特に冬は寒くて手が動きにくいうえに、しじみが泥の奥深くもぐっていて、とるのに時間もかかり大変だそうです。でも冬のしじみは、特においしいということです。
しじみは、しじみ汁やつくだ煮にして食べられています。給食のしじみ汁の味はいかがですか。漁師さんたちの姿を思い浮かべながら味わって食べてください。

一口メモ

松江地方では朝食にしじみ汁を食べることが多い。土用しじみの味は格別である。冬はみそ仕立てで味を濃くするが、夏はすまし汁にする。