静岡県 郷土食
静岡県
静岡県は日本のほぼ中央に位置し、相模湾、駿河湾、遠州灘に沿った長い海岸線と富士山など高い山々からなる北部山岳地帯が、東西に長い地形を囲んでいます。山地から流れ出た川は富士川、大井川、天竜川となり県土を縦断し、肥沃な土地を形成しています。このような豊かな自然と先人達の努力で、お茶の生産量やみかんの産出額は日本一です。また、水産物や農産物にも恵まれています。昔の静岡県は駿河と遠江 (とおとうみ)の間を流れる大井川を境に2分され、それが日本の東西の食文化の違いにほぼ重なっていたことから、静岡の食には日本の食のすべてがあると言われています。
かつおの煮付け(かつおのにつけ)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 103kcal |
たんぱく質 | 13.7g |
脂質 | 3.1g |
カルシウム | 5mg |
鉄 | 1.2mg |
ビタミンA | 10μgRE |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.09mg |
ビタミンC | 0mg |
食物繊維 | 0g |
食塩 | 0.8g |
マグネシウム | 23mg |
亜鉛 | 0.5mg |
由来
静岡県の焼津港は、かつおの水揚げ量日本一を誇る漁港です。かつおの旬は春と秋の2回で、山口素堂(やまぐちそどう)の有名な俳句、「目に青葉山ほととぎす初鰹」とあるように、初夏の「初鰹(はつがつお)」が好まれてきました。現在は、脂がのった秋の「もどり鰹」も好まれています。
水揚げ量の多いこの地区ではいろいろな料理方法が考案されました。かつおの煮付けは、そのうちのひとつです。長く保存のできるかつおの角煮もよく知られていますが味が濃いめです。
材料・分量
1 | かつお | 50g |
2 | かつお節 | 1g |
3 | 水 | 30g |
4 | 清酒 | 2g |
5 | 砂糖(三温糖) | 1.5g |
6 | こいくちしょうゆ | 5g |
7 | 本みりん | 2g |
8 | しょうが(細いせん切り) | 2g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・かつおは、なべにたっぷりの湯としょうがの皮を入れて、ゆでる。
- ・かつお節と水でだし汁をとっておく。
作り方
- なべに、だし汁、砂糖、しょうゆ、酒、しょうがを入れて、煮立ったらかつおを加える。
- 煮汁が少し残る位までゆっくり煮たら、本みりんを入れて少し煮てから火を止める。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
②かつお節③水→⑤砂糖、⑥しょうゆ、④酒、⑧しょうが→①かつお→⑦本みりん
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 623kcal |
たんぱく質 | 27.9g |
脂質 | 13.1g |
カルシウム | 310mg |
鉄 | 2.9mg |
ビタミンA | 209μgRE |
ビタミンB1 | 0.64mg |
ビタミンB2 | 0.54mg |
ビタミンC | 37mg |
食物繊維 | 5.1g |
食塩 | 2.2g |
マグネシウム | 101mg |
亜鉛 | 2.9mg |
献立例
- ・麦ごはん
- ・牛乳
- ・かつおの煮付け
- ・大根ときゅうりの 香りづけ
- ・みそけんちん汁
- ・フルーツトマト
放送資料
静岡県は、かつおの水揚げ量、漁獲量、生産量が全国第1位です。特に焼津港は、かつおの水揚げ量日本一の漁港として有名です。そのため、焼津地方ではかつおの加工が盛んで、かつお節、なまり節、角煮などが生産されています。
「かつおの煮つけ」は、かつおの生臭さを押さえるために、しょうがを入れ、しょうゆ、砂糖、酒などでしっかり味つけをします。角切りのかつおを煮つけにし、それをごはんに混ぜてたべる「かつお飯」は給食の人気メニューです。毎年4~6月頃には、遠州灘から駿河湾沖、そして伊豆半島にかけて、新鮮な旬のかつおを味わうことができます。
一口メモ
かつおは、古くから食用にされており、大和朝廷は鰹の干物(堅魚)などの加工品の献納を課していた記録がある。延長5年(927年・平安時代)に完成した『延喜式』の「主計の巻」によると、駿河から堅魚、煮堅魚、堅魚煮汁。伊豆からは堅
魚、堅魚煮汁が納められている。
参考資料
- ・「平成18年漁業・養殖業生産統計年報」農林水産省統計部
- ・「たべもの歴史散策」 小柳輝一 著
静岡県