神奈川県 郷土食

神奈川県

神奈川県は、比較的温暖な気候に恵まれ、西部には箱根・丹沢(たんざわ)の山々が連なり、また、相模湾(さがみわん)などの海に面していて、風景の美しいところです。
神奈川県の農地面積は、県全体の約9%しかありませんが、限られた農地でいろいろな作物を工夫して育てています。中でも大根、キャベツの生産量は全国規模を誇ります。海に面している地域には漁港があり、近海漁業・遠洋漁業が行われています。海の幸・山の幸に恵まれ、地場産物や旬の食材が豊富です。

地図

けんちん汁(けんちんじる )

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 86kcal
たんぱく質 4.1g
脂質 4.1g
カルシウム 74mg
0.9mg
ビタミンA 150μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.04mg
ビタミンC 6mg
食物繊維 2.7g
食塩 1.3g
マグネシウム 33mg
亜鉛 0.5mg

由来

けんちんは、中国から伝えられた卓袱(しっぽく)料理の一つです。巻繊とも書き、“けんちぇん”“けんせん”ともいいます。巻は巻いたもの、繊は小さく切ることで油を用いて料理するところが特徴です。
鎌倉時代、建長寺(けんちょうじ)の開山であった蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が、はじめてつくり、修行僧たちが食べていました。建長寺で考え出した汁物なので、「建長寺汁」がなまったともいわれています。お寺で食べられていた汁物なので、豆腐や根菜類を使った精進料理 です。栄養もあり、体が温まり簡単に作れるので、だんだん一般の家庭にも広がりました。

材料・分量

1 木綿豆腐(1cm 角切り) 30g
2 油揚げ(せん切り) 5g
3 板こんにゃく(手でちぎる) 15g
4 さといも(4mm 厚いちょう切り) 30g
5 にんじん(いちょう切り) 10g
6 だいこん(いちょう切り) 25g
7 ごぼう(半月切り) 5g
8 根深ねぎ(小口切り) 5g
9 乾しいたけ(せん切り) 1g
10 サラダ油 0.8g
11 ごま油 0.2g
12 だし汁(もどし汁+水) 130g
13 食塩 0.8g
14 こいくちしょうゆ 3g
15 ごま油 0.1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾しいたけは洗って水でもどす。もどした水はだし汁として使う。
  • ・油揚げは油抜きをする

作り方

  • なべを熱し、サラダ油・ごま油を入れ、こんにゃく・ごぼう・にんじん・だいこんを炒め、だし汁を加える。
  • もどししいたけ、油揚げを加えアクをとる。
  • 調味料を入れる。
  • さといもを入れ、柔らかくなったら木綿豆腐、根深ねぎを入れる。
  • ごま油を入れ、味をととのえる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑩サラダ油⑪ごま油→③こんにゃく→⑦ごぼう→⑤にんじん→⑥だいこん→⑫だし汁→⑨しいたけ→②油揚げ→⑬塩→⑭こいくちしょうゆ→④さといも→①木綿豆腐→⑧根深ねぎ→⑮ごま油

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 657kcal
たんぱく質 28.7g
脂質 18.5g
カルシウム 345mg
2.4mg
ビタミンA 366μgRE
ビタミンB1 0.35mg
ビタミンB2 0.48mg
ビタミンC 34mg
食物繊維 3.9g
食塩 2.3g
マグネシウム 99mg
亜鉛 2.9mg

献立例

  • ・茶飯
  • ・牛乳
  • ・鯵のひもの
  • けんちん汁
  • ・みかん

放送資料

けんちん汁は鎌倉市の郷土料理で、建長寺発祥の精進料理です。けんちん汁は、だいこん、にんじん、ごぼう、さといも、こんにゃく、豆腐をごま油で炒め、しょうゆで味を調えたすまし汁です。建長寺のお坊さんが作っていたため「建長寺汁」がなまって「けんちん汁」になったそうです。
けんちん汁には野菜がたくさん入っています。野菜には、体の調子を整えてくれるビタミンやミネラル、おなかのお掃除をしてくれる食物繊維がたくさんあります。野菜が不足するとイライラしたり、肌がカサカサになったりします。それぞれ野菜によって栄養が違うので、いろいろな野菜を食べるようにしましょう。

一口メモ

その昔、建長寺の小坊主が豆腐を床に落してグチャグチャにしてしまって困っていると、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が壊れた豆腐と野菜を煮込み、とてもおいしい「建長寺汁」を作った。これがなまって「けんちん汁」になった。
蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)は建長寺の開山(寺院の創立者)をした中国の高僧。

参考資料

  • ・語源由来辞典