徳島県 郷土食

徳島県

徳島県は、古くから京阪神地方との交流が盛んでした。徳川時代、藍、塩、砂糖、紙、木材などの特産物の商売を活発に行なっていました。
藍商人は、年に数回、全国各地に設置された藍の売り場と、徳島の間を往来し、貨幣(かへい)のみでなく、各地の文化ももたらしました。徳島の水田地帯は塩被害や台風による被害が多く、米の県内自給はできなかったため、藍を売ったお金で、米を購入していました。そのため、 ハレ食で米を食べられる喜びは、米作中心の他県では考えられないほど強いものがありました。

地図

おでんぶ(おでんぶ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 132kcal
たんぱく質 5.0g
脂質 1.9g
カルシウム 87mg
1.4mg
ビタミンA 378μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 14mg
食物繊維 4.1g
食塩 2.7g
マグネシウム 36mg
亜鉛 0.7mg

由来

おでんぶは正月のおせちや新築の棟上げ(むねあげ)式などのお祝いの膳で供されてきた、徳島風煮豆料理です。おせち料理として、大つごもり(大みそか)の内におでんぶとにしめを作り置き、元旦の朝に若水(元旦の朝早くに「福・徳・幸い」と唱えながら3回に分けてくんだ水)で白味噌の雑煮を作りました。雑煮、おでんぶ、にしめなどのおせちをならべた前で、家族そろって正月の挨拶を交わしたと言われています。
正月のおせち料理のときには、黒豆を使う家庭もあります。黒豆を使うときには、あまからく味付けをします。

材料・分量

1 凍り豆腐(小口切り) 5g
2 板こんにゃく(1cm 角切り) 25g
3 れんこん(1cm 角切り) 20g
4 にんじん(1cm 角切り) 25g
5 だいこん(1cm 角切り) 25g
6 金時豆 10g
7 梅干し(小さめ) 5g
8 こんぶ(1cm 角切り) 1g
9 煮干し 2g
10 50g
11 砂糖(上白糖) 10g
12 うすくちしょうゆ 8g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・金時豆は水にひとばんつけた後、ゆでる。
  • ・凍りどう豆腐は、ぬるま湯でもどし、水気をしぼる。
  • ・こんにゃくはゆでる。
  • ・こんぶとにぼしと水でだしをとる。こんぶはだしをとった後、切って具として使う。

作り方

  • だし汁をなべに入れて、凍り豆腐、こんにゃく、れんこん、にんじん、だいこん、こんぶをにる。
  • 金時豆を入れ、さとうを足しながら煮つめ、2分後に、うすくちしょうゆを加え、しばらく煮る。
  • 梅干しを加え、コトコトとにる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑧⑨⑩だし汁→①凍り豆腐②こんにゃく③れんこん④にんじん⑤だいこん⑧こんぶ→⑥ゆでた金時豆→⑪さとう→⑫しょうゆ→⑦梅干し

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 695kcal
たんぱく質 25.0g
脂質 21.3g
カルシウム 350mg
2.7mg
ビタミンA 432μgRE
ビタミンB1 0.60mg
ビタミンB2 0.53mg
ビタミンC 20mg
食物繊維 5.5g
食塩 2.3g
マグネシウム 105mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・さんまの揚げ照煮
  • おでんぶ
  • ・さわにわん

放送資料

日本の各地には、その土地の気候・風土・習慣などから育まれた郷土料理がたくさんあります。
今日のメニューの「おでんぶ」は、徳島県の郷土料理です。
地域によって「おれんぶ」とも呼ばれ、お正月のおせち料理の一品にもなっています。豆と一緒にいろいろな根菜類を甘辛く煮た料理で、入れる具材も家庭によって異なります。黒豆の代わりに金時豆を入れたり、しいたけ、しょうが、梅干しなどを入れる場合もあります。
最近では、おせち料理として作る家庭も少なくなってきているので、給食献立に取り入れました。給食では、金時豆とれんこん、にんじん、だいこん、高野豆腐、こんぶを一緒に煮ています。
昔の人が食べていたおでんぶは、豆と野菜を一緒に食べられることで冬の寒さを乗り切ることはもちろん、まめ(豆)に働くための栄養補給となったようです。

一口メモ

おでんぶには、決して高価な材料は使われていない。貧富の差がなく、正月を祝おうという生活背景から生まれてきた料理であり、おせち料理の真髄だと言える。

参考資料

  • ・「徳島の食事」 社団法人農村漁村文化協会
  • ・「阿波ふるさとの味」 鈴木竹子著