富山県 郷土食

富山県

富山県は三方を3,000m 級の立山連峰に囲まれ、一方は日本海の富山湾に面しています。そして、中央には実り豊かな平野が広がり、たくさんの自然に恵まれています。このような地形のおかげで、富山県では海の幸も山の幸も両方味わうことができます。
「天然のいけす」と呼ばれている富山湾では、寒ブリ・白えび・ほたるいか等のキトキト(新鮮)な魚介類が水揚げされます。また富山のおいしい水で育ったコシヒカリ・富山干し柿・富山白ねぎ等も有名です。富山の食は、このような恵まれた豊富な食材を活用して育まれてきました。

地図

ぶり大根(ぶりだいこん)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 93kcal
たんぱく質 6.1g
脂質 4.4g
カルシウム 14mg
0.5mg
ビタミンA 15μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.11mg
ビタミンC 14mg
食物繊維 0.9g
食塩 0.7g
マグネシウム 15mg
亜鉛 0.3mg

由来

富山県では、晩秋から初冬にかけて猛烈な風が吹き荒れ雷が激しく鳴り響く時があります。このぶりのとれるころになる雷を「ぶりおこし」と呼び、ぶり漁が始まる合図であると古くから伝えられています。
富山湾ではぶりの養殖は行われておらず、水揚げされるのは全て天然のぶりです。冬の雷鳴とともにやってくるぶりは、「富山湾の王者」と呼ばれ、成長とともに「つばいそ(こづくら)」「ふくらぎ」「はまち(がんど)」「ぶり」と呼び名が変わる「出世魚」でもあること から、縁起物として歳暮や祝い事に珍重されています。ぶりは、捨てるところがなく、ぶりの残(ざん)と呼ばれる「あら」と旬の大根をじっくりと煮たぶり大根は、冬の富山の幸を代表する料理です。

材料・分量

1 だいこん(1.5㎝半月切り) 40g
2 ぶり(角切り) 25g
3 ぶりのあら 適量
4 しょうが(すりおろし) 1g
5 100g
6 清酒 3g
7 本みりん 5g
8 こいくちしょうゆ 5g
9 ゆずの皮(薄いせん切り) 5g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・だいこんの皮をむき、切ってゆでておく。
  • ・ぶりのあら(頭、骨、内臓、エラ)などを切り、塩をふってもみながら、 血合いや汚れを除く。
  • ・ぶりは水で手早く洗い、水切りし、熱湯にサッとくぐらせて、ざるに上げる。

作り方

  • だいこんを煮て、少し軟らかくなったら、調味料とぶり・ぶりのあら としょうがを入れて煮る。
  • 浮いてくるあくをこまめに取り除く。
  • 煮えたら火を止めて、しばらくおいて再度煮る。そうすると味がよくしみこむ。
  • ゆずの皮をのせる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑤水→①だいこん→⑥酒→⑦みりん→⑧こいくちしょうゆ→
②ぶり・③ぶりのあら→④しょうが→⑨ゆずの皮

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


Warning: Undefined array key "example_14" in /home/zengakuei/zengakuei.or.jp/public_html/wp-content/themes/zengakuei/single-kyodosyoku.php on line 197
エネルギー 670kcal
たんぱく質 26.4g
脂質 19.6g
カルシウム 393mg
3.2mg
ビタミンA 362μgRE
ビタミンB1 0.60mg
ビタミンB2 0.59mg
ビタミンC 40mg
食物繊維 6.2g
食塩 2.6g
マグネシウム 108mg
亜鉛 2.2mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • ぶり大根
  • ・ごまあえ
  • ・かみなり汁
  • ・りんご

放送資料

今日は富山を代表する郷土料理「ぶり大根」です。冬に向かう11月終わりの寒い頃、雷がなって海が大荒れになると、脂がのったとてもおいしいぶりが富山湾でたくさん獲れます。
ぶりは成長が早いため「出世魚」と言われ、もじゃこ→つばいそ(こづくら)→ふくらぎ→はまち→こぶり→がんど→ぶりと、その大きさとともに、呼び名が変わります。また、ぶりの子どもは、福が来る魚で「ふくらぎ」と呼ばれ、縁起を呼ぶ魚としても大事にされています。
ぶりの脂には、DHA という脳の発達をよくし、記憶学習能力を高める働きの成分がたっぷりと入っています。昔の人は、冬の味覚の代表格である海の幸、里の幸とうまく組み合わせ、「ぶり大根」を作りました。ぶりの味を生かした郷土色豊かな、心も体も温まる料理です。

一口メモ

年の暮れになると、嫁の実家から婚家に、高価なぶりのお歳暮を贈る習慣がある。「つけとどけ」と呼ばれ、かつては大家族の中で、慣れない生活を送る娘への親の気遣いが込められていた。また、「ぶりにあやかって、婿殿の出世を願う気持ちも込めて」とも言われ、今も残っている風習である。
そこで、ぶり大根など、ぶりを使った郷土料理が生まれたのだろうと言われている。

参考資料

  • ・「とやまの郷土料理」 北日本新聞社