富山県 郷土食

富山県

富山県は三方を3,000m 級の立山連峰に囲まれ、一方は日本海の富山湾に面しています。そして、中央には実り豊かな平野が広がり、たくさんの自然に恵まれています。このような地形のおかげで、富山県では海の幸も山の幸も両方味わうことができます。
「天然のいけす」と呼ばれている富山湾では、寒ブリ・白えび・ほたるいか等のキトキト(新鮮)な魚介類が水揚げされます。また富山のおいしい水で育ったコシヒカリ・富山干し柿・富山白ねぎ等も有名です。富山の食は、このような恵まれた豊富な食材を活用して育まれてきました。

地図

いとこ煮(いとこに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 102kcal
たんぱく質 5.2g
脂質 2.3g
カルシウム 69mg
1.5mg
ビタミンA 204μgRE
ビタミンB1 0.09mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 4.4g
食塩 0.9g
マグネシウム 38mg
亜鉛 0.8mg

由来

いとこ煮は、ところによって具はいろいろ違って いますが、あずきを入れることは共通しています。そのようないとこ煮の由来には様々な説があ ります。
あずきをかぼちゃまたは里芋、大根、ごぼうなどと一緒に煮るいとこ煮は、固いものからおい(甥)おいに入れて煮るところから、甥と甥でいとこ(従兄弟)煮と名付けられたのだろうという説が一般的で す。その他に、同じ畑から収穫された野菜が煮てあるので、「いとこたち」の意味で名付けられたのだろうという説。2月の年中行事のお事始め(正月の支度にとりかかる意)に作る根菜類やあずきを煮込んだだけのお事汁がなまったという説。また、かぼちゃとあずきは似たような味のでんぷん質だからという説など、いろいろあ ります。
家庭ごとに使用する材料や味付け、切り方等に多少の違いがあります。

材料・分量

1 ごぼう (1cmの角切りまたはいちょう切り) 12g
2 にんじん (1cm の角切りまたはいちょう切り) 12g
3 板こんにゃく (1cm の薄めの角切り) 9g
4 さといも (1cm の角切りまたはいちょう切り) 20g
5 日本かぼちゃ (1cm の角切りまたはいちょう切り) 20g
6 生揚げ(1cm の角切り) (油揚げで代用できる) 20g
7 あずき(乾燥) 9g
8 あずきの煮汁 100g
9 米みそ(八丁みそ) 7.2g

※具財の大きさをそろえる。

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・あずきは固めにゆでる。
  • ・ごぼうは、あく抜きをしておく。
  • ・生揚げは油抜きしておく。
  • ・こんにゃくは下ゆでをしておく。

作り方

  • あずきの煮汁に、固いものから順に入れてやわらかく煮る。
  • やわらかく煮えたら、アクをすくい、小豆を入れ、みそで味つけし、さらにコトコト煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑧あずきの煮汁→①ごぼう→②にんじん→③こんにゃく→④さといも→
⑤かぼちゃ→⑥生揚げ→⑦あずき→⑨みそ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 729kcal
たんぱく質 27.3g
脂質 19.8g
カルシウム 392mg
3.6mg
ビタミンA 502μgRE
ビタミンB1 0.69mg
ビタミンB2 0.51mg
ビタミンC 26mg
食物繊維 6.9g
食塩 2.3g
マグネシウム 113mg
亜鉛 3.5mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・ふくらぎのゆう庵焼き
  • ・三色和え
  • いとこ煮
  • ・りんご

放送資料

浄土真宗を開いた親鸞聖人(しんらんしょうにん)が北陸路を通られた時、好んで食べられた料理が「いとこ煮」だと言われています。富山県の浄土真宗の家々では、今でも親鸞聖人をしのんで、命日にいとこ煮を食べる習慣が残っています。煮る野菜は地域によっていろいろで、味付けもみそだったり、しょうゆだったりします。しかし、必ずあずきが入っています。なぜ、「いとこ煮」と呼ばれるかと言うと、ごぼう・にんじん・こんにゃく・里芋・かぼちゃ・あずきなどを、硬くて煮えるのが遅いものから順番に「おいおい」と煮ていくから、「おいとおい(甥と甥)」で、すなわち「いとこの関係」になるので、「いとこ煮」と言うようになったそうです。寒い時期に食べるいとこ煮は体が温まりますね。味わって食べて下さい。

一口メモ

北陸は浄土真宗を開いた親鸞聖人と縁の深い土地柄である。親鸞聖人は、北陸路を通られた時、いとこ煮を大変好んで食べられたと言われている。そのため、富山県には今でも親鸞聖人の命日である11月28日に、いとこ煮を食べる習慣が残っている。多くの材料を使っていることから、たくさんの徳がつまっている「遺徳煮(いとくに)」とも言われている。

参考資料

  • ・「料理の話」 学校給食研究会著
  • ・「とやまの郷土料理」 北日本新聞社