山口県 郷土食

山口県

本州の最西端に位置する山口県は、三方が海に開かれています。東西に走る中国山地の山々は比較的低く、大きな平野や盆地が少ないため、棚田を利用した米作りや温暖な気候を生かしたみかん栽培などが行われてきました。アジア大陸に近い山口県では早くから稲作技術が伝わり、江戸時代には、米・塩・紙を「防長三白 (ぼうちょうさんぱく)」と呼び生産が奨励されました。また、入りくんだ長い海岸線には多くの漁港があり、古くから漁業が盛んで北浦捕鯨も栄えていました。日本海側では沖合漁業、瀬戸内海側では沿岸漁業や養殖などが行われ、特に下関のふぐは全国的にも有名です。

地図

はすのさんばい(はすのさんばい)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 56kcal
たんぱく質 1.5g
脂質 1.3g
カルシウム 24mg
0.3mg
ビタミンA 90μgRE
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0mg
ビタミンC 15mg
食物繊維 0.9g
食塩 0.8g
マグネシウム 13mg
亜鉛 0.2mg

由来

「はすのさんばい」の由来は、「三杯酢」からきた説と、中国・四国地方で「田の神様」を「さんばい」と呼んでいたことに関係しているとの説があります。
岩国藩主「吉川(きっかわ)家」の家紋が九曜(くよう)の紋で、れんこんの穴が同じ9つということであるから、藩主がずいぶんお喜びになったという逸話があります。また、れんこんは穴が開いていることから、「先が見通せる」縁起のよい食べものといわれています。家庭では、お正月などのおめでたい時に酢じめにしたこのしろや花形に切ったにんじんなどが入った「はすのさんばい」が作られています。

材料・分量

1 れんこん(うす切り) 30g
2 にんじん(うす切り) 6g
3 油揚げ 3g
4 穀物酢 8g
5 砂糖(三温糖) 4g
6 うすくちしょうゆ 3g
7 食塩 0.3g
8 白いりごま 0.5g
9 穀物酢(ゆでるとき) 少々
10 食塩(ゆでるとき) 少々

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・白いりごまはする。
  • ・れんこんは熱湯に酢少々を入れてゆでて冷ます。
  • ・にんじんは塩ゆでにして冷ます。
  • ・油揚げは、フライパンで両面を焼いて細く切る。

作り方

  • 調味料を混ぜ合わせて、合わせ酢を作る。
  • 合わせ酢でれんこん、にんじん、油揚げを和え、すりごまを加える。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①れんこん→⑨穀物酢→②にんじん→⑩食塩→③油揚げ→④穀物酢
⑤砂糖⑥うすくちしょうゆ⑦食塩→⑧白いりごま

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


Warning: Undefined array key "example_14" in /home/zengakuei/zengakuei.or.jp/public_html/wp-content/themes/zengakuei/single-kyodosyoku.php on line 197
エネルギー 689kcal
たんぱく質 27.9g
脂質 12.4g
カルシウム 398mg
3.4mg
ビタミンA 638μgRE
ビタミンB1 0.70mg
ビタミンB2 0.61mg
ビタミンC 88mg
食物繊維 5.1g
食塩 2.8g
マグネシウム 111mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・あじのはなっこりー あんかけ
  • はすのさんばい
  • ・いも汁
  • ・みかん

放送資料

はすのさんばいは、岩国寿司や大平とともに、岩国で昔から作られ食べられてきた郷土料理です。岩国の郷土料理には、必ずといっていいほど岩国れんこんが入っています。
岩国れんこんは、今から200年前に、村本三五郎が現在の大分県から持ち帰ったのが始まりといわれています。れんこんの穴は8つですが、岩国れんこんは9つ穴があり、岩国藩主吉川家の家紋と似ていることから、お殿様が大変喜ばれたそうです。
現在、岩国地域は、れんこんの栽培量が全国第4位です。
岩国のれんこんは、シャキシャキした歯ごたえともちもちした粘りが特徴です。
岩国の郷土料理「はすのさんばい」でシャキシャキしたれんこんの歯ごたえを味わい、郷土料理を生み出した昔の方々の知恵を感じてください。

一口メモ

岩国の代表的な郷土料理は、れんこんを使った岩国寿司、大平、はすのさんばいの3品で、これらは「氏盛料理」と呼ばれ長い歴史をもっている。
岩国寿司は江戸時代に保存食にするために作ったのが始まりで、大きな箱桶に寿司飯と具を何段にも分けて敷き、一度に何十人分も作る豪快なお寿司である。大平は鶏肉と野菜を煮込んだ煮物で、汁が多いのが特徴である。大きな平碗に盛ることから、大平となったといわれている。どの料理も祭事や祝い事の時などに各家庭で作り、来訪者にふるまう習慣が今も続いている。

参考資料

  • ・山口県の食事農文協、ふるさとキッチン中山美鈴著、やまぐち食彩人 丸久