秋田県 郷土食

秋田県

北東北に位置し、世界遺産に登録されている「白神山地」を有する秋田県は、海や山などの自然環境に恵まれ、たくさんの特産物を持つ「食材」の宝庫です。
南北に長く、気候・風土の差があり、それぞれの地域性を生かした独自の「食文化」を育んできているところです。
恵まれた自然を生かして作られる地場産物や特産物をはじめ、生活の知恵から生まれた、郷土料理は数えきれないほどあります。

地図

納豆汁(なっとうじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 114kcal
たんぱく質 7.8g
脂質 5.3g
カルシウム 594mg
1.7mg
ビタミンA 24μgRE
ビタミンB1 0.06mg
ビタミンB2 0.10mg
ビタミンC 2mg
食物繊維 3.1g
食塩 1.6g
マグネシウム 46mg
亜鉛 0.9mg

由来

秋田県の南部に位置する横手市金沢地区には「納豆発祥伝説」が残っています。平安時代に起きた「後三年の役 (ごさんねんのえき)」で、八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)が農民に煮大豆を供出させたところ、急ぎのため入れ物が間に合わず、俵につめて差し出しました。これがいつのまにか納豆になり、ためしに食べてみたところ、とてもおいしい食べ物に変わっていました。これが後 世に伝わり、納豆の誕生となったといわれています。昔、冬場に新鮮な野菜が収穫できない山間部の地域では保存のきく塩漬けのきのこや山菜類を納豆汁の具材にふんだんに使い、冬場の野菜不足を補っていました。自家製の豆腐や油揚げ、みそ、そして納豆を使ったこの料理は各家庭によって作り方や材料も違い、これも納豆汁の特徴とい えます。

材料・分量

1 さといも(さいの目切り) 20g
2 にんじん(薄いいちょう切り) 3g
3 油揚げ(さいの目切り) 5g
4 きのこ(なめこ、さわもだしなど) 10g
5 わらび(1㎝に切る) 10g
6 木綿豆腐(さいの目に切る) 30g
7 根深ねぎ(小口切り) 8g
8 赤みそ 12g
9 納豆 16g
10 煮干し 3g
11 適量

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・煮干しと水でだしをとる。
  • ・納豆はすり鉢でよくすりつぶす

作り方

  • だし汁に、さといも、にんじん、油揚げを入れて煮る。 きのこ、わらびを加える。
  • 木綿豆腐を加えて赤みそで味付けをする。
  • すりつぶした納豆を加える。 納豆の風味を損なうため、汁を煮立てないように気をつけること。
  • 最後に根深ねぎを入れる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑩⑪だし汁→①さといも→②にんじん→③油揚げ④きのこ→⑤わらび→⑥豆腐→⑧赤みそ⑨納豆→⑦ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 22kcal
たんぱく質 29.9g
脂質 22.6g
カルシウム 363mg
3.4mg
ビタミンA 177μgRE
ビタミンB1 0.84mg
ビタミンB2 0.65mg
ビタミンC 32mg
食物繊維 7.2g
食塩 2.7g
マグネシウム 112mg
亜鉛 3.1mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・豚ロースのりんごソース
  • ・白菜ととんぶりのおひたし
  • 納豆汁
  • ・みかん

放送資料

納豆汁は、寒い日にぴったりの体の芯からあたたまる秋田の郷土料理です。
中に入る材料は、納豆、さといも、にんじん、豆腐、油揚げの他、なめこ、さわもだし(きのこ)、わらびなど秋田の山菜がたっぷり使われています。
この納豆汁ですが、寒い季節に作るほかに、お祝い事や仏事にもかかせない料理でもあります。昔はみそや納豆、豆腐、油揚げなどの様々な大豆加工品を家庭で手作りしていました。納豆汁も各家庭、それぞれの味や材料、作り方があったそうです。
今日の納豆汁のお味はいかがでしょうか?よく味わって食べてください。

一口メモ

納豆汁という料理は江戸時代にできたといわれている。江戸時代中期の文人、与謝蕪村(よさのぶそん)が詠んだ句のなかに、「朝霜や室の揚屋(あげや)の納豆汁」という句がある。この時代、江戸の人たちがどのようにして納豆を調理して食べていたのか、なんとなく想像できる。ちなみに、「納豆汁」という言葉は冬の季語になっている。

参考資料

  • ・「ウィキペディア」 フリー百科事典