高知県 郷土食

高知県

北には四国山地、南には黒潮流れる太平洋を望み、東西に長く84%は森林の高知県。川魚(あゆ、あめご、川えび、うなぎ、かに、ごり)の捕れる清流は海に注ぎ、黒潮の土佐湾は日本有数の漁場で、回遊魚は季節と ともに訪れ、地付きの魚も多くいわし類の産卵場でもあります。高温多雨の気候で山菜も野菜もよく育ちます。こうした自然が多彩な食材を生み食文化を育んでき ました。
新鮮な食材が入手できるせいか、素材の味を生かした調理法が多く、酢、ことにゆずなど木酢(きず)を好み、すし・酢みそをよく作ります。高知に伝わる皿鉢料理は開放的な宴席マナーと、温かい“お客”文化を生み定着させ ました。

地図

かつおの角煮(かつおのかくに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 94kcal
たんぱく質 15.9g
脂質 0.3g
カルシウム 9mg
1.2mg
ビタミンA 2μgRE
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.09mg
ビタミンC 0mg
食物繊維 0.1g
食塩 0.9g
マグネシウム 30mg
亜鉛 0.6mg

由来

高知県では、古くからかつおの一本づり漁がさかんに行われており、重要な水産資源となってきました。高知県と いえばかつおといわれるほど、高知県とかつおは切りはなせない存在であり、県魚でもあります。
かつおは「すてるところがほとんどない」といわれており、身は「さしみ」や「たたき」にし たり、身をとった後のアラではだしをとったりと、あますところなく使っています。
食べきれずにあまったさしみなどの切り身を、簡単に調理ができて保存のできる「角煮」にして食べてきました。そのままで食べてもおいしい のですが、角煮をほぐして炊きたてのごはんにまぜ、ごまや青ネギなどをちらした「かつお飯」にして もおいしくいただけます。
また、胃や腸をきれいに水で洗って細く切り、たっぷりの塩をまぶした内臓の塩辛は、「酒盗(しゅとう)」とよばれる珍味になります。

材料・分量

1 かつお(1.5cm 角切り) 60g
2 しょうが(せん切り) 2.5g
3 砂糖(三温糖) 4.0g
4 清酒 4.0g
5 本みりん 1.0g
6 こいくちしょうゆ 5.7g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・かつおは3枚おろしにする
    ※かつおは新鮮なものを使う。

作り方

  • 角切りにしたかつおを熱湯にさっとくぐらせる。
  • なべに調味料を入れて煮たたせ、かつおとしょうがを加えて弱火で煮汁がなくなるまで煮る。

※煮汁が少ない時は、だし汁を少し入れて煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
③砂糖④酒⑤みりん⑥こいくちしょうゆ→②しょうが→①かつお

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 618kcal
たんぱく質 34.9g
脂質 12.2g
カルシウム 344mg
3.3mg
ビタミンA 467μgRE
ビタミンB1 0.68mg
ビタミンB2 0.66mg
ビタミンC 92mg
食物繊維 4.7g
食塩 3.5g
マグネシウム 114mg
亜鉛 3.4mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • かつおの角煮
  • ・にらと(土佐ジローたまご)のかきたま汁
  • ・ブロッコリーのごまあえ
  • ・ぽんかん

放送資料

今日は「かつおの角煮」です。
かつおは、高知県を代表する魚で、「かつおの角煮」は郷土料理のひとつです。また、「かつおのたたき」も代表的な郷土料理です。新鮮なかつおは、たたきやさしみで食べますが、その時に残ったさしみを捨てずに、角煮にして食べてきました。
春のかつおは「はつがつお」と言い、また、秋のかつおは「もどりがつお」と言います。「はつがつお」は味がさっぱりとしていて、「もどりがつお」はしっかりと脂がのっています。そのため、「はつがつお」と「もどりがつお」は栄養価も違います。

一口メモ

かつおは、土佐を代表する魚として高知県民に親しまれており、昭和63年に「県の魚」にも指定された。高知県の郷土料理のひとつである「皿鉢料理」にもかつおのたたきやさしみが豪快にならび、土佐の「おきゃく(宴会)」文化に欠かすことのできない食材のひとつである。
そして、残ったさしみを最後までおいしく食べようと、角煮にしておかずにしたり、ご飯にまぜてかつお飯を作ったり、昔の人の工夫が生きた料理である。

参考資料

  • ・土佐の食卓 伝えたいおふくろの味ママの味(土佐伝統食研究会)