熊本県 郷土食

熊本県

熊本県は、九州地方のほぼ中央に位置し、県土の6割が森林で占められています。西部は有明海、八代海に面し、東シナ海に続いてい ます。世界に誇るカルデラを持つ雄大な阿蘇を含む「阿蘇くじゅう国立公園」、大小120の島々からなる「雲仙天草国立公園」と2つの国立公園を持ち、山あり海ありの美しい景観に富んだ地形です。
県を代表する味として有名なものに、「馬刺し」と「からし蓮根」がある。その他にも、「太平燕」、さつま芋を使った「いきなり団子」などおいしい名産品が数多くあ ります。

地図

つぼん汁(つぼんじる )

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 87kcal
たんぱく質 6.6g
脂質 3.9g
カルシウム 46mg
0.6mg
ビタミンA 101μgRE
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 2mg
食物繊維 2.6g
食塩 1.9g
マグネシウム 13mg
亜鉛 0.5mg

由来

人吉球磨(ひとよしくま)では、昔からお正月やお祭り・祝い事・親戚の寄り合いなどの行事が行なわれるときは、会席膳を出してい ます。その時に使われるお椀には、浅いものや深いものがあり、その中で一番深い椀に汁物をよそ いました。その椀のことをつぼといい、つぼに入っている汁ということで、つぼの汁と呼ばれるようになり、それが変化して「つぼん汁」となりました。
地鶏でだしをとり、野菜やとうふ・こんにゃくを入れて作っていたため、各家庭によって味が少しずつ違ってい ます。
お祝い料理なので、具の種類は奇数(7か9)で、焼きとうふ・油揚げ・厚揚げのうち必ずひとつを入れ ます。だしは、地鶏だけでなく、煮干しや焼きエビでとることもあります。

材料・分量

1 地鶏(1cm 角切り) 20g
2 ごぼう(1cm 角切り) 10g
3 さといも(1cm 角切り) 20g
4 だいこん(1cm 角切り) 15g
5 にんじん(1cm 角切り) 8g
6 焼き豆腐(1cm 角切り) 15g
7 こんにゃく(1cm 角切り) 10g
8 乾しいたけ(1cm 角切り) 1g
9 葉ねぎ(小口切り) 5g
10 乾しいたけのもどし汁+水 130g
11 うすくちしょうゆ 5g
12 清酒 1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾しいたけは洗って水でもどす。もどし汁はだし汁として使う。

作り方

  • 鍋に水と乾しいたけのもどし汁を入れ、地鶏・もどししいたけを入れ一煮たちしたら、他の具をすべて入れて煮る。
  • 野菜に火が通ったら、調味料を入れる。
  • 葉ねぎを入れて仕上げる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑩もどし汁→①地鶏⑧もどししいたけ→④だいこん③さといも②ごぼう
⑦こんにゃく⑤にんじん⑥焼き豆腐⑪うすくちしょうゆ⑫清酒→⑨葉ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 670kcal
たんぱく質 28.3g
脂質 19.6g
カルシウム 341mg
2.9mg
ビタミンA 399μgRE
ビタミンB1 0.33mg
ビタミンB2 0.57mg
ビタミンC 30mg
食物繊維 5.4g
食塩 3.2g
マグネシウム 98mg
亜鉛 2.9mg

献立例

  • ・赤飯
  • ・牛乳
  • ・ぶり照焼
  • ・かぶの柚香あえ
  • つぼん汁

放送資料

つぼん汁は、人吉球磨(ひとよしくま)地方の郷土料理です。
人吉球磨(ひとよしくま)地方では、おくんち祭りやお祝い事があると会席膳を食べる習慣があり、そのときに出てくる汁物のひとつです。会席膳では、浅い椀と深い椀を使いますが、深い椀のことをつぼと呼びます。そのつぼに汁を入れることから、つぼの汁と呼ばれるようになりました。それが、変化してつぼん汁と呼ばれるようになり、今でもおくんち祭りでは、赤飯やなますと一緒につぼん汁を食べます。

一口メモ

人吉球磨では、収穫が終わると秋祭りの季節。「おくんちさん(人吉市)」「八幡さん(あさぎり町)」「えびすさん(多良木町)」「天神さん(多良木町)」というお祭りが各地で開かれる。そのときに必ず作られるのがつぼん汁である。つぼん汁は、家庭によって味が違う。それは、飼育した地鶏や家で作った野菜など家にある食品を使って作るからである。そして、人吉市では、焼き豆腐、球磨郡あさぎり町では厚揚げ、多良木町では油揚げを入れるなど地域によって違う。出しも、地鶏でとったものや煮干し・焼きエビでとったものなどがあり、それぞれの家で受け継がれた味になっている。

参考資料

  • ・人吉球磨暮らし伝えづくりふるさとの食指南書