熊本県 郷土食

熊本県

熊本県は、九州地方のほぼ中央に位置し、県土の6割が森林で占められています。西部は有明海、八代海に面し、東シナ海に続いてい ます。世界に誇るカルデラを持つ雄大な阿蘇を含む「阿蘇くじゅう国立公園」、大小120の島々からなる「雲仙天草国立公園」と2つの国立公園を持ち、山あり海ありの美しい景観に富んだ地形です。
県を代表する味として有名なものに、「馬刺し」と「からし蓮根」がある。その他にも、「太平燕」、さつま芋を使った「いきなり団子」などおいしい名産品が数多くあ ります。

地図

びりんめし(びりんめし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 366kcal
たんぱく質 11.0g
脂質 7.4g
カルシウム 126mg
1.8mg
ビタミンA 135μgRE
ビタミンB1 0.11mg
ビタミンB2 0.05mg
ビタミンC 5mg
食物繊維 1.9g
食塩 1.2g
マグネシウム 59mg
亜鉛 1.7mg

由来

熊本県宇城市三角町の戸馳島に伝わる混ぜごはんです。仏事の際に出される精進料理で、絞り豆腐を油で炒めるときの音が「びりん、びりん…」と聞こえるということから「びりんめし」という名前がついたとされ ています。
おとき(葬儀の時の食事)は近所の主婦が作るのですがその際、各家庭にある食材を持ち寄って手軽に作られたもので す。精進料理なので、肉や魚類は入ってい ませんが、コクがあり、風味豊かな味わいがある郷土料理です。

材料・分量

1 精白米 70g
2 100g
3 木綿豆腐 56g
4 ごぼう(小さめのささがき) 8g
5 にんじん(粗みじん切り) 8g
6 乾しいたけ(粗みじん切り) 0.5g
7 切干しだいこん 0.8g
8 油揚げ(粗みじん切り) 6g
9 いりごま 0.4g
10 サラダ油 1g
11 乾しいたけのもどし汁 20g
12 砂糖(三温糖) 3g
13 うすくちしょうゆ 7g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾しいたけ、切干しだいこんは洗って水でもどす。
  • ・しいたけのもどし汁はだし汁として使う。
  • ・ごぼうはささがきにしたあと、水に浸し、アクを抜く。
  • ・木綿豆腐は絞り、ほぐしておく。

作り方

  • 精白米は少し硬めに炊く。
  • 豆腐は水分が無くなるまでしっかりと油で炒める。
  • 2に他の材料を加え、しいたけのもどし汁を加え加熱する。
  • 煮えたら、砂糖、うすくちしょうゆで、調味する。
  • 炊きあがったごはんに4の具を加え混ぜ合わせる。
  • いりごまをふる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①精白米②水→⑩サラダ油→③絞り豆腐→④ごぼう→⑥もどししいたけ→⑤にんじん→⑦切干しだいこん→⑧油揚げ→⑪もどし汁→⑫砂糖
⑬うすくちしょうゆ→⑨いりごま

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 613kcal
たんぱく質 27.8g
脂質 18.2g
カルシウム 402mg
2.6mg
ビタミンA 557μgRE
ビタミンB1 0.25mg
ビタミンB2 0.50mg
ビタミンC 17mg
食物繊維 3.5g
食塩 2.8g
マグネシウム 112mg
亜鉛 2.9mg

献立例

  • びりんめし
  • ・牛乳
  • ・あおさ汁
  • ・ミックス焼き
  • ・ミニトマト

放送資料

びりんめしは宇城(うき)市三角(みすみ)町の戸馳(とばせ)島に古くから伝わる郷土料理で、肉のかわりに豆腐が入った混ぜごはんです。なぜ、「びりんめし」というめずらしい名前がついたかというと、絞り豆腐を油で炒めて水分を飛ばすときに、鍋が「びりん、びりん…」というように聞こえるところから「びりんめし」というようになったといわれています。学校給食では、成長期のみなさんがたんぱく質を多くとれるように鶏のひき肉も入れています。また、干ししいたけや切り干し大根も入っているので、うまみ、食物せんいもたっぷり含まれています。

一口メモ

びりん飯が生まれた戸馳島は「とばせじま」と呼ぶ。九州本土の宇土半島と天草の中間地点に浮かぶ小さな島であり、びりん飯はこの島特有の混ぜご飯である。島の中で精進料理を作る際、各家庭から手軽な食材を持ち寄って作っていた。肉や魚類は入っていないが、コクがあり、風味豊かな味わいがある。また、見栄えも良く、食べ物が乏しい時代に豆腐を使った昔の人の知恵が隠されている。

参考資料

  • ・日本経済新聞社/三角西港:日本の近代遺産50選
  • ・熊本県教育委員会ひのくに遺産:近代化遺産