新潟県 郷土食

新潟県

新潟県は、日本海側のほぼ中央に位置し、面積は6,337平方キロメートルで全国第5位、全国で最長の信濃川などの河川が日本海へ流れ込むことから広大で肥沃(ひよく)な平野が広がり、日本一といわれる米・コシヒカリを産出する稲作を始め、農業、漁業が盛んで、美味しい食べものの宝庫として有名です。冬は雪に閉ざされ白一色におおわれますが、一幅の水墨画のようにひときわ美しい景観をみせてくれます。最近の話題は、県の鳥である「トキ」が、2008年秋に自然放鳥され、27年ぶりに佐渡の空に風切羽の鮮やかな淡紅色(トキ色)をのぞかせながら力強く大空へ羽ばたきました。

地図

大海(だいかい)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 104kcal
たんぱく質 7.3g
脂質 4.2g
カルシウム 74mg
1.1mg
ビタミンA 46μgRE
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.10mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 3.7g
食塩 1.3g
マグネシウム 34mg
亜鉛 0.9mg

由来

大海とは、幅5寸~1尺(約15~30cm)ほどの平たい蓋 (ふた)付きの塗り物で、これに入れてもてなすので、その煮物も大海と呼ばれるという説と、大鍋で煮るので大海という字を当てているという説があります。江戸時代後期には、料理として存在してい ましたが、起源はわかりません。現在は、入れ物はおひらや大海入りと呼んでいます。この料理は、冠婚葬祭 (かんこんそうさい)など人が集まるときに作られています。
入れ物は、朱塗りや黒塗りの蒔絵(まきえ)や溜塗り(ためぬり)などがあり、使用する際は、材料を美しく盛り付けるために材料を混ぜて煮ずに、それぞれの材料をひとつ鍋の中に片寄せて煮、盛り分けやすいように調理されました。

材料・分量

1 焼き豆腐(短冊切り) 20g
2 鶏もも肉(細切れ) 20g
3 さといも(1cm いちょう切り) 25g
4 にんじん(千切り) 5g
5 長もやし(4cm にカット) 20g
6 ごぼう(ささがき) 10g
7 たけのこ水煮(千切り) 20g
8 糸こんにゃく(5cm にカット) 30g
9 乾ししいたけ(千切り) 1g
10 清酒 2g
11 こいくちしょうゆ 3g
12 うすくちしょうゆ 3g
13 食塩 0.4g
14 砂糖(上白糖) 0.5g
15 水(しいたけのもどし汁) 140g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾ししいたけは洗って水でもどす。(もどした水はだし汁として使う。)
  • ・糸こんにゃくは、5分ほどゆで、アクを抜く。
  • ・たけのこは、下ゆでして臭みをとる。
  • ・鶏もも肉は清酒をかけて臭みをとる。

作り方

  • なべに水、鶏もも肉を入れて煮る。出てきたアクをとる。
  • 1にだし汁と調味料を入れ、もどしたしいたけ、ごぼう、糸こんにゃく、たけのこ、長もやし、にんじん、さといもと煮ていく。
  • 2の材料が煮えたら焼き豆腐を入れ、味をととのえる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑮だし汁→②鶏もも肉→⑩酒⑪こいくちしょうゆ⑫うすくちしょうゆ
⑬食塩⑭砂糖(上白糖)→⑨もどしたしいたけ→⑥ごぼう→
⑧糸こんにゃく→⑦たけのこ→⑤長もやし→④にんじん→
③さといも→①焼き豆腐

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 712kcal
たんぱく質 30.5g
脂質 21.6g
カルシウム 433mg
3.4mg
ビタミンA 274μgRE
ビタミンB1 0.63mg
ビタミンB2 0.60mg
ビタミンC 69mg
食物繊維 7.4g
食塩 2.6g
マグネシウム 102mg
亜鉛 3.4mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・鮭の焼きづけ
  • ・オータムポエムの ごまあえ
  • 大海
  • ・さわし柿

放送資料

今日は、村上の郷土料理の大海です。大海とは、幅5寸~1尺ほどの平たい蓋付きの塗り物で、これに入れてもてなすので、その煮物も大海と呼ばれるという説と、大鍋で煮るので大海という字を当てているという説があります。
器は、朱塗りや黒塗りの蒔絵や溜塗りなどがあり、お客に喜んでもらえるように、見た目よく材料を盛り付けました。昔は家で結婚式の披露宴をするときなどに使われましたが、今では器を使う機会が少なくなり、なかなか器を見ることが
できなくなりました。
大海の器を使わなくても、郷土料理・大海の味と、昔の人のおもてなしの心を、しっかり受け継いでいきたいものです。

一口メモ

大海は、季節、地域、各家庭により材料や味付けが異なる。しかし、大海は美しさに重点をおき作られている。村上市塩野町は、塩の道として海府地方から塩野町を中継地点として、米沢街道を通り米沢藩に塩を送っていた。そのため、塩野町には、役人が宿泊するための宿もあり、身分の高い役人をもてなす料理は、白いほうが美しいとして、にんじん、しいたけなどは使わず、塩味で仕上げたということである。昭和40年頃までは、にんじんなどを使わない習慣が残っていたようである。

参考資料

  • ・「聞き書 新潟の食事」 農山漁村文化協会
  • ・「民具マンスリー」 神奈川大学日本常民文化研究所 朝日村史