大阪府 郷土食

大阪府

大阪府は、瀬戸内海の東端に位置する大阪湾を望み、生駒山地・金剛山地・和泉山脈を背負う大阪平野を中心として発展してきたので、海や山の食材に恵まれてき ました。また江戸時代は、瀬戸内海を通して北前船などがもたらす諸国の産物が集まり、後に「天下の台所」と言われたくらいである。このことが〝くいだおれの町大阪〟と言われるようになった一因であることは間違い ありません。また商人の町として栄えてきたので、合理的な考え方から生み出された料理もあります。一方周辺部に行くと、その土地土地でとれる個性的な食材を生かした料理もあ ります。

地図

里芋と団子の煮物(さといもとだんごににもの)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 79kcal
たんぱく質 1.4g
脂質 0.2g
カルシウム 4mg
0.3mg
ビタミンA 0μgRE
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.01mg
ビタミンC 5mg
食物繊維 1g
食塩 0.6g
マグネシウム 4mg
亜鉛 0.1mg

由来

お月見の風習は全国各地にあります。お供えする物は月見団子・ススキ・さといもは多くの地域で共通ですが、他の物はそれぞれの地域の特色があります。大阪府下で見ても、団子の形(丸型・紡錘形など)、味(あんこ・さとうなど)、形状(あんこを中に入れた物・団子をあんこでくるんだ物など)、個数など様々です。また、栗やさつまいも・果物・煮物など、お供え物も地域によってちがうこともあります。
河内(かわち)から泉州(せんしゅう)にかけてはハギやススキをかざり、丸い形のさといもと他の物を煮た物をお供えすることが多いようです。
『里芋と団子の煮物』は、泉州地方では一般的なお供え物で、丸い里芋(月見芋)と丸い白玉団子をだし汁としょうゆ・ さとうで煮た物です。

材料・分量

1 さといも(丸のまま) 25g
2 白玉粉 15g
3 13g
4 うすくちしょうゆ 2g
5 砂糖(上白糖) 2.2g
6 かつお節 適量
7 適量

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・かつお節と水でだしをとる。

作り方

  • 団子用の白玉粉・水を、耳たぶの固さくらいにこねて、丸めてゆでて白玉団子を作る。
  • だし汁(さといもが浸るくらい)にうすくちしょうゆ・砂糖を入れて、さといもを煮込む。
  • さといもに火が通ったら1を加え、ひと煮立ちさせて火を止める。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
②白玉粉③水→⑥⑦だし汁→④⑤→①→(②③白玉団子)

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)


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エネルギー 656kcal
たんぱく質 26.5g
脂質 14.7g
カルシウム 280mg
2.2mg
ビタミンA 309μgRE
ビタミンB1 0.57mg
ビタミンB2 0.57mg
ビタミンC 19mg
食物繊維 2.64g
食塩 3.7g
マグネシウム 75.1mg
亜鉛 3.4mg

献立例

  • ・親子丼
  • ・牛乳
  • 里芋と団子の煮物
  • ・たくあん漬

放送資料

お月見の習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。日本に伝わった時は、位の高い貴族が大きな丸い月を見て楽しんだと言われていますが、その後、農民が実りの秋を祝う習慣に変わってきたようです。
お月見と言えば〝中秋の名月〟として、すすきや月見団子と収穫した農産物をお供えします。お月見の頃に里芋を収穫するので、里芋を供える習慣があり〝芋名月〟とも言われています。また、丸い月見団子は、そのまま満月に例えられて
いると考えられ、里芋を表しているとも言われます。
今では、お芋と言えば〝さつまいも〟か〝じゃがいも〟を思い浮かべますが、日本では里芋のほうが古くからあり、昔は芋と言えば里芋のことだったようです。
今日は月見献立として、泉州地域に昔から伝わる〝里芋と団子の煮物〟を作りました。今年も豊作になるといいです。

一口メモ

十五夜は中国から伝えられた風習で、月見団子・ススキとともに収穫期の里芋をお供えすることが多いので、別名〝芋名月〟と呼ばれている。また十三夜は、中国から伝わった風習ではなく日本独自のもので、月見団子とともに栗や枝豆を
お供えすることから〝栗名月〟〝豆名月〟とも呼ばれている。
各地に「片月見はいけない」という言葉が伝えられている。十五夜と十三夜は、両方月見をしなければ縁起が悪いと言う意味で、片方だけの月見を嫌う風習があった。

参考資料

  • ・大阪市立科学館HP  なにわの科学史のページ
  • ・「聞き書き大阪の食事」  (財)農山漁村文化協会